国土調査のあり方に関する検討小委員会/所有者不明土地に対する対応

国土審議会土地政策分科会企画部会国土調査のあり方に関する検討小委員会

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国土調査については、平成22年度を初年度とする第6次国土調査事業十箇年計画が進められています。

この国土調査のあり方に関する検討小委員会が国土交通省に設けられ、検討が重ねられ平成26年8月報告書が提出されています。

http://www.mlit.go.jp/common/001051578.pdf

この報告書内で所有者不明土地の国土調査のあり方につき、言及しているので引用します。

地籍調査作業規程準則第30条第3項は、土地所有者が不在の場合の調査方法のため、2010.10.12に改正され、結果、半数の筆界が確認できたということですので、効果はあったことは間違いありません。

ただし、それでも半数は未確定、所有者不明という状態は何ら変わりませんので、抜本的に土地利用の障害が取り除かれたわけではありません。

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3.計画後半における主な取組
(1)地籍調査の促進に向けた方策

② 所有者の所在が不明な土地における筆界確認方法の積極的な活用
 平成22年に、所有者の所在が不明な土地であっても、筆界を確認することができる客観的な資料が存在する場合には、各法務局の登記官との協議の上、地籍調査の実施が可能となる制度改正(地籍調査作業規程準則第30条第3項の新設)が行われている。これにより、従来であれば所有者の所在が不明であることを理由に筆界未定となる筆のうち、半数以上の筆界が確認されており、今後とも積極的な活用が重要である。
 この他、この制度の活用等によっても解消されない筆界未定が地籍調査に与える問題点の把握に努めつつ、現行の筆界特定制度の活用促進やさらなる連携強化等による筆界未定の解消策の必要性も検討していくことが望まれる。
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地籍調査作業規程準則
(筆界の調査)
第30条  筆界は、慣習、筆界に関する文書等を参考とし、かつ、土地の所有者等の確認を得て調査するものとする。

2  第23条第2項の規定による立会が得られないことについて相当の理由があり、かつ、筆界を確認するに足る客観的な資料が存在する場合においては、当該資料により作成された筆界案を用いて確認を求めることができるものとする。

3  土地の所有者その他の利害関係人及びこれらの者の代理人の所在が明らかでないため第23条第2項の規定による立会いを求めることができない場合で、かつ、筆界を明らかにする客観的な資料が存在する場合においては、前二項の規定にかかわらず、関係行政機関と協議の上、当該土地の所有者その他の利害関係人及びこれらの者の代理人の確認を得ずに調査することができる。

4  土地の所有者等の所在が明らかな場合であつて第1項及び第2項の確認が得られないとき又は前項に規定する立会いを求めることができない場合であつて前項の規定に基づき調査することができないときは、調査図素図の当該部分に「筆界未定」と朱書するものとする。
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ところで、地籍調査が完了していない先進国は日本だけとの記事が掲載されていました。

地籍調査という基本的な作業が完了していない先進国は日本だけ
2015年07月28日(Tue)  大石久和 (国土技術研究センター国土政策研究所長)

日本の国土が抱える困難 地籍の未確定と土地の細分保有
土地の戸籍という基本インフラ(インフラ=社会の基本となる基礎構造)をないがしろにしている国は先進国では一国もないのだが、多くの国民はそれを知らない。

ここでは、ずさんな土地の「戸籍管理」(人に関する戸籍制度と比較して)と述べているように、残念ながら国土管理は他国と比較してかなり遅れているのは明らかです。