11月2日から登記識別情報通知・未失効照会サービスの開始

法務省 登記識別情報通知・未失効照会サービスの開始について

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本年11月2日から,オンラインにより登記識別情報の有効性を迅速に確認するための以下のサービスを開始します(☆登記・供託オンライン申請システムのホームページ)。
1 手数料は不要です。
2 登記官による証明は行われません。

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同業者(司法書士)なら分かるでしょうが、一般の方には分かりにくいので解説します。

所有権移転登記などが完了すると、登記識別情報(通知)が発行されます。

この登記識別情報は次に登記義務者となった時に登記所へ提供する必要があります。

しかし、この登記識別情報は登記完了後に失効させることも可能であることから、

必ずしも登記識別情報「通知」として書面があっても、絶対的な信頼があるわけではありません。

そこで、事前確認の制度として、不動産登記事務取扱手続準則40条において「登記識別情報の有効証明請求」と「未失効証明」というものが設けられてます。

前者は提供した登記識別情報が一致しているかどうか、後者は該当する登記記録の登記識別情報が失効していないことを確認できる制度です。

 

今般、これら登記識別情報に関する証明制度とは別に登記識別情報通知・未失効照会サービスが設けられました。

【登記識別情報通知・未失効照会サービスの特徴】

①諸費用不要(準則40条による請求は手数料として1請求300円)

②請求者又は代理人である司法書士の電子署名が不要(準則40条による請求は必要)、従って、請求者についての制限なし。

③自動回答

④公文書としての発行なし(準則40条による請求は公文書)、従って、登記官による認証文は当然なし。

【登記識別情報通知・未失効照会サービスの回答例】

照会に係る登記事項に記録された全ての登記名義人の登記識別情報が通知され、有効な場合は、
「当該登記に係る登記識別情報が通知され、かつ、失効していません。」との回答となります。

照会に係る登記事項に記録された全ての登記名義人の登記識別情報が通知され、かつ、失効している場合又は不通知である場合は、
「当該登記に係る登記識別情報が通知されず、又は失効しています。」との回答となります。

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◇参考 登記識別情報に関する証明制度の根拠法令
【不動産登記令】
(登記識別情報に関する証明)
第22条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、登記識別情報が有効であることの証明その他の登記識別情報に関する証明を請求することができる。
2 法第百十九条第三項及び第四項の規定は、前項の請求について準用する。
3 前二項に定めるもののほか、第一項の証明に関し必要な事項は、法務省令で定める。

【不動産登記規則】
(登記識別情報に関する証明)
第68条 令第二十二条第一項に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一 請求人の氏名又は名称及び住所
二 請求人が法人であるときは、その代表者の氏名
三 代理人によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
イ 不動産所在事項又は不動産番号
ロ 登記の目的
ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別
六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示

2 前項の証明の請求(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求を除く。)をするときは、有効証明請求情報と併せて登記識別情報を提供しなければならない。第六十六条の規定は、この場合における登記識別情報の提供方法について準用する。

3 第一項の証明の請求は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。
一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して有効証明請求情報を登記所に提供する方法
二 有効証明請求情報を記載した書面を提出する方法

4 第一項の証明は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法によりするものとする。
一 前項第一号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを請求人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
二 前項第二号に掲げる方法により有効証明請求情報が提供された場合 登記官が証明に係る事項を記載した書面を交付する方法

5 有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、有効証明請求情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。

6 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の証明の請求をするときは、その有効証明請求情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。

7 令第四条並びに第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の証明の請求をする場合(同条の規定については、資格者代理人により第一項の証明の請求をする場合を除く。)について準用する。この場合において、令第四条ただし書中「申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるとき」とあるのは、「有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名又は名称及び住所が同一であるとき」と読み替えるものとする。

8 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条の規定は第一項の証明の請求をする場合について、それぞれ準用する。

9 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。

10 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。

11 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の証明の請求をする場合について準用する。

12 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条(第一項ただし書を除く。)の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一項第一号から第三号まで及び第二項の規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)及び第三項の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。

13 第百九十七条第六項及び第二百四条の規定は、第四項第二号に定める方法により第一項の証明をする場合について準用する。

14 資格者代理人によって第一項の証明の請求をするときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報(当該資格者代理人が法人である場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報を含む。)を併せて提供しなければならない。

15 資格者代理人によって第一項の証明の請求をする場合には、第五項及び第六項の規定にかかわらず、これらの規定に規定する情報は、提供することを要しない。

【不動産登記事務取扱手続準則】
第40条 登記官は,令第22条第1項に規定する登記識別情報に関する証明(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明を除く。)の請求があった場合において,提供された登記識別情報が請求に係る登記についてのものであり,かつ,失効していないときは,請求に係る登記を表示した上,「上記の登記について平成何年何月何日受付第何号の請求により提供された登記識別情報は,当該登記に係るものであり,失効していないことを証明する。」旨の認証文を付すものとする。ただし,有効であることの証明ができないときは,次の各号に掲げる事由の区分に応じて,それぞれ当該各号に定める認証文を付して,有効であることの証明ができない理由を明らかにするものとする。
一 請求に係る登記があり,かつ,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が失効していないが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報と提供された登記識別情報とが一致しないとき。 「上記の登記について平成何年何月何日受付第何号の請求により提供された登記識別情報は,正しい登記識別情報と一致しません。」
二 請求に係る登記があるが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が通知されず,又は失効しているとき。 「上記の登記に係る登記識別情報が通知されず,又は失効しています。」
三 請求に係る登記があるが,請求人が登記名義人又はその一般承継人であることが確認することができないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求人は,請求人としての適格があると認められません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
四 請求に係る登記がないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求に係る登記はありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
五 前各号の場合以外の理由により証明することができないとき。 これらの例にならって,例えば,登記手数料の納付がないなど具体的な理由を認証文に示して明らかにするものとする。

2 登記官は,令第22条第1項に規定する登記識別情報に関する証明のうち登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求があった場合において,請求に係る登記の登記名義人についての登記識別情報が通知されず,又は失効しているときは,請求に係る登記を表示した上,「上記の登記に係る登記識別情報が通知されず,又は失効しています。」旨の認証文を付すものとする。ただし,登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明ができないときは,次の各号に掲げる事由の区分に応じて,それぞれ当該各号に定める認証文を付して,登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明ができない理由を明らかにするものとする。
一 請求に係る登記があるが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が通知され,かつ,失効していないとき 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,次の理由により,証明することはできません。
 当該登記に係る登記識別情報が通知され,かつ,失効していません。
 (注)この証明は,上記請求において登記識別情報が提供されていないため,当該登記に係る登記識別情報が通知され,かつ,失効していない事実のみを証明するものであり,特定の登記識別情報が当該登記に係る登記識別情報として有効であることを証明するものではありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
二 請求に係る登記があるが,請求人が登記名義人又はその一般承継人であることが確認することができないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求人は,請求人としての適格があると認められません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
三 請求に係る登記がないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求に係る登記はありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
四 前3号の場合以外の理由により証明することができないとき。 これらの例にならって,例えば,登記手数料の納付がないなど具体的な理由を認証文に示して明らかにするものとする。

3 第126条第1項の規定は,前2項の証明の請求書を受け付けた場合について準用する。

4 第1項の証明は,当該登記識別情報に関する証明の請求の受付の前に同一の登記識別情報について受け付けられた失効の申出がある場合には,当該申出に基づく措置をした後でなければ,することができない。