4月26日、平成 30 年住宅・土地統計調査の結果が公表されました。
住宅・土地統計調査は、「我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする統計調査で、5年ごとに実施されます。この調査の結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画、土地利用計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用」が目的ですが、空き家の増加とともにたいへん注目される調査となりました。
1.空き家の分類
空き家の分類は以下のとおりです。
このうち、空き家問題に発展するおそれが最も高いのが「その他の住宅」です。
「その他の住宅」は利用目的を有していないことが多いため、管理が不十分になるおそれがあります。
二次的住宅 | 別 荘・・・・・週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で,ふだんは人が住んでいない住宅 その他・・・・・ふだん住んでいる住宅とは別に,残業で遅くなったときに寝泊まりするなど,たまに寝泊まりしている人がいる住宅 |
賃貸用の住宅 | 新築・中古を問わず,賃貸のために空き家になっている住宅 |
売却用の住宅 | 新築・中古を問わず,売却のために空き家になっている住宅 |
その他の住宅 | 上記以外の人が住んでいない住宅で,例えば,転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など |
2.平成 30 年住宅・土地統計調査の結果から
下記のとおり、空き家数は5年間で26万戸も増加しています。
注目すべきは売却用の住宅が減少(4.5%減)し、その他の住宅が29万戸も増加(9.1%増)していることです。
空き家となっている住宅が売却を含め利活用が進んでいないことが推測されます。
平成30年 | 平成25年 | |
総住宅数 | 6242万戸(179万戸増) | 6063万戸 |
空き家数 | 846万戸(26万戸増) | 820万戸 |
空き家率 | 13.6% | 13.5% |
賃貸用の住宅 | 431万戸(0.4%増) | 429万戸 |
売却用の住宅 | 29万戸(4.5%減) | 30万戸 |
二次的住宅 | 38万戸(7.3%減) | 41万戸 |
その他の住宅 | 347万戸(9.1%増) | 318万戸 |
3.空き家対策の促進を
空家等対策の推進に関する特別措置法が成立しましたが、同法で空き家対策の全てに対応することは困難です。
増え続ける空き家をどのようにすればよいか、国民全体で考えていくことが必要ですね。