令和元年12月20日閣議決定した令和2年度税制大綱において、所有者不明土地等に係る固定資産税の措置が新設されています。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2020/20191220taikou.pdf
「所有者不明土地等」の「等」は家屋を含む概念と推測されます。
「現所有者」とは、登記簿上の所有者が死亡し、相続登記がなされるまでの間の相続人等を想定しているようです。
現所有者を課税庁が調査し、特定するのは多大の時間と労力を要していることの解消を目的とされています。
「固定資産税における他の申告制度と同様の罰則」とは、地方税法第383条の規定により、固定資産税の納税義務のある償却資産の所有者は、毎年1月1日現在の償却資産の状況を1月31日までに当該償却資産の所在地の市町村長に申告する必要があり、申告しない場合、地方税法第385条の規定により、罰則が定められており、この規定を指すものと思われます。
使用者を所有者とみなす制度は、「一定の調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合」が対象ですので、どの程度の数が対象となるかは、注視していきたいと考えています。
二 資産課税 1 所有者不明土地等に係る課税上の課題への対応 所有者不明土地等に係る固定資産税の課税上の課題に対応するため、次の措置を講ずる。 (1)現に所有している者の申告の制度化 市町村長は、その市町村内の土地又は家屋について、登記簿等に所有者として登記等がされている個人が死亡している場合、当該土地又は家屋を現に所有している者(以下「現所有者」という。)に、当該市町村の条例で定めるところにより、当該現所有者の氏名、住所その他固定資産税の賦課徴収に必要な事項を申告させることができることとする。 (注1)固定資産税における他の申告制度と同様の罰則を設ける。 (注2)上記の改正は、令和2年4月1日以後の条例の施行の日以後に現所有者であることを知った者について適用する。 (2)使用者を所有者とみなす制度の拡大 |