倒壊危険な空き家、行政代執行 事例紹介

5月26日 空き家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行となりました。
 この法律では、特定空家等に対する措置として、「要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行が可能」としています。
 この代執行の事例等を収集してみました。なお、空き家特別措置法だけではなく、建築基準法、空き家条例によるものを含めています。
 こうしてみると代執行に至ると行政の負担がいかに重いかが分かります。
 また、大仙市の例のように空き家条例を制定し、行政が積極的に助言・指導をしていくと、自主的な解体がある程度進むという効果の報告がされています。

①秋田県大仙市 全国で初めて空き家解体を代執行
 ・2012年3月に全国で初めて空き家解体を代執行
  大仙市空き家等の適正管理に関する条例に基づく
  倒壊寸前の倉庫など3件13棟を解体したが、費用は計約600万円
  回収できたのは3万円
 ・条例制定に伴う住民意識の変化により、自発的に空き家解体が進むなどの効果
  平成25年度の解体建物107件中、市の助言・指導によるもの17件、残り90件は自主的に解体
  市の助言・指導等を行った17件のうち、補助金を活用して解体した空き家は14件、約673万円
 内閣府 秋田県大仙市 空き家適正管理条例の制定

②京都市
 平成27年5月30日、同市上京区の空き家について、建築基準法に基づき行政代執行での解体開始
 撤去費用470万円は市が負担
 空き家特措法ではなく、建築基準法に基づく代執行
 市内720件の空き家を把握、このうち300件が所有者不明であり確認作業を継続中

 京都市/管理不全空き家に対する代執行の実施について
 京都市/管理不全空き家に対する代執行の終了について

③名張市
 名張市瀬古口では、空き家一軒が半壊
 名張市は所有者に速やかに撤去を求め、応じない場合、空き家対策特別措置法に基づく行政代執行を検討予定
 県内では空き家特措法に基づく代執行は、県内ではまだ一度も実施されていない

④東京都墨田区
 墨田区老朽建物等の適正管理に関する条例に基づき平成26年12月11日、行政代執行で強制撤去
 区によると条例に基づく行政代執行による老朽空き家の強制撤去は、東京都内では大田区に続いて2例目
 墨田区/老朽建築等の代執行を実施しました

⑤大阪市 行政代執行(2例)
・建築基準法第9条第12項の規定に基づき、危険回避のために、行政代執行
 平成25年11月

・建築基準法の規定に基づき、簡易代執行
 大阪市/行政代執行の概要

⑥神戸市 老朽空き家 代執行
 平成26年5月、神戸市中央区再度筋町内の老朽危険建築物を建築基準法に基づき行政代執行 
 神戸市/老朽危険建築物の行政代執行

⑦東京都大田区
 大田区空き家の適正管理に関する条例に基づき、平成26年5月、行政代執行法に基づく代執行を実施
 大田区/行政代執行法に基づく代執行の実施について
 大田区/行政代執行法に基づく代執行の実施について

⑧広島市三原市
 平成27年2月、建築基準法に基づき行政代執行で老朽化した住宅を撤去
 県内初、撤去費用は約130万円、所有者に請求する予定

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おまけ

◇鹿沼市、空き家解体後も固定資産税など減免
 平成27年6月、鹿沼市は、特定空き家を所有者が取り壊した場合、翌年から3年間の固定資産税・都市計画税を解体前と同額とする減免措置を導入すると発表
 市内で確認されている特定空き家は平成27年3月末現在で98件
 (2015.06)空き家対策に大きな弾み!~県内初!問題解消に”温もりの手”~(2015.06)