所有権の登記がない土地の登記記録の表題部の所有者欄に氏名のみが記録されている場合の所有権の保存の登記の可否

所有権の登記がない土地の登記記録の表題部の所有者欄に氏名のみが記録されている場合の所有権の保存の登記の可否について、平成30年7月24日付法務省民二第279号にて通知がありました。

【要旨】

・登記簿と土地台帳・家屋台帳の一元化作業により旧土地台帳から移記され、
 その登記記録の表題部の所有者欄に氏名のみが記録されている土地(本件土地)がある
・表題部所有者に不在者財産管理人が選任された
・不在者財産管理人と河川工事の起業者(国)との間で売買契約が成立した
・当該起業者から代位で所有権の保存の登記をする場合に、所有権の登記名義人の住所を証する情報
 の提供がなくても便宜、登記可能
 なお、代位原因を証する情報の一部として、不在者財産管理人の選任の審判書(本件土地の表題部
 所有者の氏名と不在者の氏名とが同一であるものに限る。)と不在者財産管理人の権限外行為許可
 の審判書を提供

 

 国土交通省が策定した「所有者の把握が難しい土地の探索・利活用に関するガイドライン 事例集」の事例9、10、11(P12~17)では、表題部のみ登記がされている土地(表題部所有者の住所の記録がない場合)の解決方法として、不在者財産管理人制度及び訴え提起前の和解(即決和解)が示されています。
 この理由として、「地権者から国に所有権移転登記を行うに当たり、法務局より、即決和解による和解調書を得た上でなければ、所有権保存登記及び所有権移転登記ができないとの指導があった。表題部所有者の住所が不明なときは、不動産登記法上、所有権登記保存登記ができない取扱いとなっている。」としています。

所有者の把握が難しい土地の探索・利活用に関するガイドライン 事例集

今後は、上記通達に従った取扱いがされていくことになるでしょう、